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【FMISラジオ掲載】
よっしーの法律相談所 
~相続①~

2024年5月6日



相続について①

 前回までは、生きているうちに遺言書を作っておくことなど、終活にまつわる話をしてきました。今回からは、家族が亡くなった後のお話をしたいと思います。


 亡くなられた直後は、お通夜や告別式の手配をしたり、死亡届を出したり、やらなくてはならないことがたくさんあり大変です。

そのような中、色々な期限に気をつけなくてはならないということからお話したいと思います。


 最初の期限としては、相続をするか、放棄をするかを決める期限がまず到来します。これは相続開始後、3ヶ月です。

3ヶ月というのは短いと思います。49日が終わったらもう期限が迫ってくるということになります。

相続するというのは、プラスの財産を引き継ぐだけではなく、マイナスの財産、つまり借金も一緒に引き継ぐことになります。

 もし、亡くなった方の相続財産よりも借金のほうが多いような場合には、相続放棄をすることで、相続人が借金を背負わなくてもよくなります。

 そのための手続が相続放棄です。


 ここでよくある勘違いなのですが、遺産分割の話合いで、誰かが代表してすべての財産を相続し、その他の相続人は何も財産をもらわないと決めたとします。このときに、何も財産をもらわないことで、「相続放棄をした」と思ってしまうということがあります。

だけど、これでは相続放棄をしたということにはならないのです。

 相続放棄をするには、家庭裁判所に申立をしないと、効力がありません。

3ヶ月以内に相続放棄をしなかった場合は、その時点で相続をしたことになってしまいます。これを単純承認といいます。

相続放棄の手続のために必要な書類というのがたくさんあり、それをすべて集めるにも手間がかかることがあります。


 1つ例を上げると、亡くなられた方の生まれてから亡くなるまでのすべての戸籍を集めることが必要です。

生まれてずっと伊豆市から出ていないという方であれば集めるのは簡単なのですが、本籍が転々としているという場合には、結構な数になることがあります。なにより、本籍地が遠方であったりすると、郵送で取り寄せるため、時間もかかります。

 ただ、今年の3月から、新しい制度が始まって、本籍地が全国各地に分かれていても、1箇所の窓口でまとめて取ることができるようになりました。これを「広域交付」といいます。ただ、この広域交付で取れない種類の戸籍もあるので、役所に問い合わせてみてください。

 こういった書類を全部自分で集めるのは大変ですし、裁判所に提出する書類を作るのも大変という方は、弁護士など専門家に一任することもできます。


 この相続放棄が3ヶ月の期限ですということでしたが、その次の期限としては、準確定申告の期限があります。これは相続開始後4ヶ月です。

 亡くなられた方が自営業であったり、アパートの大家さんをしていたような場合、相続人が代わりに所得税の申告をしなければならないというものです。

 税金関係の期限で言えば、相続税の申告期限は相続開始後10ヶ月という期限になっています。

 最後に、前回お話した遺留分の請求は1年という期限がありました。


 このように、それぞれ期限が決まっているものがありますので、それに気をつけながら手続をするということが大事だというお話をさせていただきました。



 次回は、遺産分割のお話をしたいと思います。



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