【FMISラジオ掲載】
よっしーの法律相談所
~相続②~
2024年5月14日
相続について②
今回からは、遺産分割をどのように進めればいいのかについてお話をしたいと思います。
遺産分割をするうえで、まず最初に取り組むことは、「相続人を確定させる」ということです。
お父さんお母さんがいて、その間に子供が1人いるという3人家族であれば、亡くなった方以外の家族が相続人になる、と想像できると思います。
ですが、複雑な家庭であったり、子供がいない家庭だと、相続人には誰がなるのか分からないということもあると思います。
誰が相続人かというのは法律で決まっています。
まず、結婚している人の場合、その配偶者は常に相続人になります。
配偶者というのは、夫からみた妻、妻からみた夫ですね。ただ、ここでいう配偶者は法律上の結婚をしている夫婦に限られます。
ですので、長年一緒に住んでいるけど、籍を入れていない場合、いわゆる「内縁関係」の場合、相続人にはなれず、あるいは同性のパートナーも相続人にはなれません。そういう場合には 、遺言書を書いておくことをおすすめしています。
配偶者は常に相続人になりますが、それ以外に誰が相続人になるかは順位で決まっています。
第1順位は子供です。子供がいれば、子供が相続人なります。
子供がいない場合は、第2順位としては「直系尊属」になります。直系尊属というのは、多くの場合は両親になります。
子供もいない、両親もすでに亡くなっているという場合、第3順位としては兄弟姉妹になります。このパターンも意外に多いです。結婚していない、あるいは結婚してても子供がいないという場合はこのパターンになります。
ここで、「代襲相続」という言葉も知っておいていただきたい言葉です。
「だいしゅう」というのは、代わりに襲うと書きます。これは、相続人になるべき人が先に亡くなっているという場合、その子供が代わりに相続人になるという制度です。
例えば、お父さんが亡くなったけど、息子のほうが先に亡くなっているという場合、その息子に子供、つまりお孫さんがいれば、その孫が代わりに相続人になります。
あるいは、兄弟が本来の相続人になるという場合で、その兄弟が先に亡くなられている場合、その兄弟の子供、つまり亡くなられた方からみれば、甥っ子、姪っ子が相続人になります。
親族であれば、甥っ子姪っ子に誰がいるのか大体わかっているかもしれませんが、こういった相続人に誰がなるのかをしっかりと調べるには、亡くなられた方の戸籍を全部調べていく必要があるんですね。
ただ、その際に、家族が知らなかった事実が判明するなこともありますので注意が必要です。たとえば、隠し子がいた、なんてこともあるでしょうし、誰かを養子にしていたとか、あるいは誰かの養子になっていたことも戸籍を辿っていくと見つかるケースもあります。
逆に、自分は実は亡くなった人の隠し子であるんですって言ってくるケースもあります。そういう場合、認知をしていれば問題はありませんが、お父さんが認知をしていなかった場合、認知の訴えを起こすことが必要になってきます。
亡くなっているのに認知をさせるなんてことできるのと思うかも知れませんが、これは可能です。死後認知といいます。ただ、期間の制限があり、死亡後3年以内でなければできません。また、どうしても証明の問題があり、DNA鑑定ができるのであれば、認められる可能性が高まりますが、亡くなられた方のDNAを入手するのが困難なので、実際に死後認知の裁判をしても認められるとは限らないということになります。
以上、相続人が誰になるかというお話でした。次回は、次のステップである遺産の範囲というお話をしたいと思います。