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【FMISラジオ掲載】
よっしーの法律相談所 
~終活②~

2024年4月8日



終活について②

 前回はエンディングノートについてお話をさせていただきました。

今回は、エンディングノートが出来上がった前提で遺言書についてのお話をさせていただきます。


 そもそも遺言書とは何かご存じでしょうか。

これは「最後のメッセージ」とお考えいただければと思います。

主に、遺産を誰にどの程度分けるか決めるものという認識をされている方もいらっしゃると思います。

 では、これをなぜ書いておいた方が良いのか。

私は自分の思いを家族に伝えるために必要ではないかと考えています。それにより残された家族の争いも回避できるのではないかと思っています。

最近は、争う家族と書いて「争族」という言葉もあるくらい、残された家族が争うケースがみられます。


 このようなお話をすると、「自分は財産が少ないから関係ない」と思う方もいらっしゃると思いますが、財産が少ないほど争いになりやすい場合も大いにございます。

実際に裁判所でも遺産が1000万円以下のトラブルが多いというデータがありますが、なぜこのようになってしまうのか。それは少ない財産だからこそ取り合ってしまうということに繋がっているのではないかと考えています。また、財産が不動産しかないという場合も家の分け方で揉めてしまうということもあり、大変です。

 以上から、遺言書を残しておくことが大事だと思います。


 ではここからは遺言書の作り方についてお話をさせていただきます。

遺言書というと大きく2つの種類に分けられます。

1つは自筆証書遺言というもので、もう1つは公正証書遺言といわれるものになります。


 この2つの違いは、まず自筆証書遺言は「自分の筆」と書きますが、これは文字通り自分で書くということです。紙とペンがあれば書けますし、自分で書くのでお金もかかりません。

しかし、法的に有効な遺言はいくつか条件が決まっており、その条件を1つでも満たないと無効になってしまいます。

 また、公正証書遺言とは公証役場という場所にお願いをして作ってもらう方法になります。

公証役場は各市町にあるわけではなく、伊豆市の一番近い公証役場は沼津市にあります。

この公証役場には公証人という法律のプロがおり、法的に有効な遺言書を作ってくれます。

しかし、その分費用がかかります。


 ではどちらの遺言書が良いのか。弁護士としては公正証書遺言をお勧めします。

せっかく作った遺言書が無効になってしまっては意味がありません。最後のメッセージとして自分の思いを伝えたにも関わらず、無効になってしまってはもったいないです。

公正証書遺言であれば無効になるリスクが全くないとは言えませんが、それでも自筆証書遺言よりリスクは低いでしょう。


 そうはいっても、いきなり公正証書遺言を作ることはハードルが高く感じる方もいらっしゃると思います。

そこで次回は、自筆証書遺言の書き方についてお話ししたいと思っています。




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