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【FMISラジオ掲載】
よっしーの法律相談所 
~ルフィ事件について~

2024年12月24日



ルフィ事件について

ラジオ聴けます


 前回はトクリュウによる首都圏の強盗事件について取り上げましたが、

今回は、それより前に起きた「ルフィ事件」についてお話したいと思います。


 このルフィ事件がトクリュウのはしりであり、代表的なケースとされています。

概要としては、2022年5月から2023年1月にかけて、日本全国で連続強盗事件が発生しました。場所は様々で、最初は京都、次に東京、その後は山口や広島、栃木、茨木などでも起きました。

 実行犯は指示役の指示に従う形で、狙いを定めた住宅や店舗に侵入し、住民を拘束、そして金品を強奪するというもので、亡くなった方もいます。


 手口が強硬で悪質といわれる一方で「犯行が非常に雑で、証拠隠滅が不十分なので、素人によるもの」ということがいわれていました。

これは闇バイトで募集された素人が関与していたということです。


 この事件は、SNSで高額報酬をうたう「闇バイト」の募集に応じた実行役が、複数人で住宅や店舗に押し入り、住人を縛るなどして金品を奪うという手口が共通していました。

捜査の中で、指示役が「ルフィ」と名乗っており、フィリピンから指示をしていることが判明しました。

 まさに現代型の犯罪で、携帯電話のメッセージアプリを使って海外から指示がなされていました。

 

 具体的には、指示役、実行役、道具調達役、運転手役などと分業し、効率的に強盗を遂行し、利益を上げてました。秘匿性の高いアプリを使って連絡を取り合い、若者を中心に面識のない実行犯らが集められました。


 先日、実行役のリーダーとなっていた被告人の裁判があったのですが、その被告人は最初、何年くらい刑務所に入るのかを調べたところ、「強盗」の懲役刑が「5年以上」となっていたのを見て、5年で済むと思っていたようで、最初に安易な気持ちで関わったことがうかがえます。


 確かに、強盗罪の懲役刑は「5年以上」となっています。これは最低5年という意味で、上限は示されていません。上限が示されていなということは、上限は20年という意味になります。さらに、併合罪といって、別の犯罪も合わさった場合には、上限が1.5倍されるという決まりがあるので、最大で30年になります。



 そして、もし被害者が怪我をした場合、最低6年となり、最大で無期懲役まであります。

さらに、被害者が亡くなった場合、強盗致死罪という犯罪になり、死刑か無期懲役かのどちらかしかありません。


 実際、このルフィ事件で被害者が亡くなった「狛江事件」の実行役の被告人に対する判決が、先日、東京地裁立川支部で出されました。結果は、無期懲役でした。

この被告人は「闇バイトに応募したことを死ぬほど後悔している」と話してました。


 狛江事件の被告人は23歳でした。無期懲役というのは、有期刑の上限が30年なので、最低でも30年は仮釈放にはならないと思っていたほうが良いと思います。


 安易な気持ちで闇バイトに応募するのは、本当に恐ろしいことです。

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