【FMISラジオ掲載】
よっしーの法律相談所
~青少年の非行について①~

2024年10月8日
ラジオ聴けます
青少年の非行について①
今月からは、青少年の非行についてお話したいと思います。
弁護士として仕事をするなかで、青少年の非行問題に向きあう機会も多くあります。
そのなかで感じることは、今の世の 中、少年たちが簡単に犯罪行為に巻き込まれてしまう状況にあるということです。
非行問題は昔から問題となっていますが、今は小学生や中学生でもスマホを持っている時代
です。スマホによって、友達同士のやりとりが簡単になったり、インターネットに繋がる機会が格段に増えているというのも影響していると思います。
まずは、青少年の非行の現状について少しお話したいと思います。
日本の青少年の非行は減少傾向にあると言われています。統計データでも、少年犯罪の件数は大幅に減少しています。
令和5年の犯罪白書によると、少年人口比でみれば、最も高かったのが昭和56年で、その年と比較すると、現在は約7分の1になっています。
ただ一方で、この数字はあくまで警察に検挙された件数であって、実 際には検挙されていない非行や、インターネットを介した新しい形の非行が増加しているとも言われており、非行も多様化している様子があります。
非行の種類をみると、最も多いものが、「窃盗」です。
これには万引きや、自転車やバイクを盗むということも含まれています。
それに加えて、最近多いものとしてあげられるのが、特殊詐欺です。
オレオレ詐欺や、税金が還付されると装った「還付金詐欺」だったり、未払の料金があるなどと嘘の請求をする「架空請求詐欺」など、手口が多様化しています。
特殊詐欺全体の認知件数は約1万7000件、被害総額は約371億円となっています。そのうち、オレオレ詐欺だけをみても、認知件数が約4200件、被害総額は約129億円と昨年よりも大きく増加してます。
この特殊詐欺で検挙された人のうち、じつに、20%が未成年者なのです。
特殊詐欺でよく検挙されるのは、被害者からお金を受け取る役割の受け子と言われる人たちです。受け子は、未成年者がやっていることもよくあります。
いわゆる「闇バイト」として、未成年者が関わっているという現状です。
また、少年の薬物犯罪も多くあります。昔は覚醒剤がかなり多かった時期があるのですが、最近は覚醒剤は大きく減少しています。代わりに、大麻が年々増えて来ていて、平成27年以降は、薬物犯罪の中で一番多くなっています。
令和4年の検挙人数は800人を超えており、大麻も少年の間で蔓延しているといえます。
次回はこの非行の背景について掘り下げたいと思います。