【FMISラジオ掲載】
よっしーの法律相談所
~青少年の非行について②~

2024年10月15日
ラジオ聴けます
青少年の非行について②
前回は青少年の非行について話をしましたが、今回は、非行の背景についてお話したいと思います。
非行をしてしまう背景には、いくつも要因があると思いますが、1つは家庭環境の問題があると思います。
家庭環境が不安定であったり、暴力や虐待がある場合、その子どもは非行に走るリスクが高まるといわれています。また、親子関係が悪化していたり、親子のコミュニケーションの不足も影響していると思われます。
家庭環境の問題でいえば、貧困や経済的な厳しさが、非行に走る要因となることもあるかと思います。
家庭以外での要因は学校での問題もあります。学業でのストレスや不登校が非行につながったり、同級生とのトラブルやいじめも非行の原因となりえます。
最近では、皆スマホを持っていて、SNS上のいじめや誹謗中傷がエスカレートして、リアルなトラブルに発展するケースも少なくありません。
スマホで簡単にインターネットに繋がるので、オンラインで薬物を購入することができるというのが、薬物事件の増加につながっている要因にもなっていると思います。
また、闇バイトもインターネットで検索できるため、有害情報へのアク セスが簡単にできる、ということが要因になっているということです。
あとは個人的要因として、発達障害などの障害が要因となることも指摘されています。
そして非行に走る兆候がいくつかございます。日常生活の中で現れることが多く、例えば、突然学校を休むことが増えたり、家族や友人と距離を置くようになったり、お金の使い方が不自然になったりすることが挙げられます。
これらの兆候を見逃さないことが、非行を未然に防ぐためには重要ということになります。
あとは障害の特性として、不注意症状を見逃さないということが重要になります。
例えば、気が散りやすい•忘れやすい・必要な物をよくなくす• 課題を計画的にできないなど、という特性が指摘されています。
予防策として 考えられるものを、いくつか上げたいと思います。
1つは、家族のコミュニケーションが大切だと思います。親子の信頼関係をつくり、子どもが自分の気持ちを話せる環境を作ること。親の立場からすれば、感情にまかせて叱らない、冷静に接することが大切です。
大人がよいモデルになる、というのも大事だと思います。大人が常識やルールを守る姿勢は子どもに影響を与えます。
また学校や地域社会が少年をサポートすることも重要です。地域社会全体で協力し、少年が孤立せずに健全な成長を遂げるのを見守る、ということです。そのため学校や地域社会も重要な存在です。
他には、法務省や警察庁がさまざまなサポート体制も整えています。
1つは、「少年サポートセンター」というのを全国の都道府県警察が設置しています。
ここは、少年問題に関する専門的な知識や技能を有する少年補導 職員を中心に、学校や児童相談所等の関係機関と連携して、街頭補導活動や相談活動等を行っています。
あとは、「スクールサポーター」というのもあります。これは退職した警察官等がスクールサポーターとして、いじめ等の学校における少年の問題行動等への対応や相談活動を行っています。
警察と学校が連携して非行防止に努め、社会全体で少年の非行防止に取り組んでいます。