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2026/03/31 2026/04/20

原状回復について

 今回からは、不動産をめぐる法律問題についてお話していきたいと思います。

 家やアパートを借りている人も多いと思いますので、まずは賃貸借契約にまつわるよくある問題についてお話したいと思います。

 

 まずは、原状回復についてです。よくアパートを退去する際に問題になります。

 原状回復の原状という漢字は、原っぱのはらに、状態のじょう、です。

 現在のげんという漢字ではないです。そのような漢字からイメージされる、原状回復というのはどのような意味を皆さんは考えますか。

 「もとの状態」という意味として、借りたときと同じようにして返す、と考えられる方が多いと思います。

 賃貸借契約による原状回復というのは、「借りたときと同じ状態にして返す」ということではありません。

 物は年月とともに古くなっていきます。また、普通に住んでいても汚れていきます。この年月とともに古くなることを、「経年劣化」といい、普通に住んでいても汚れることを「通常損耗」といいます。この、経年劣化や通常損耗については、元どおりにする必要はありません。

 年月とともに古くなっていったり、普通に住んでいても汚れた部分についての費用は、借り主が負担しなくてよいということになります。

 この経年劣化や通常損耗については、賃料に含まれているものなので、借りた人の負担で戻す必要はないのです。原状回復しなければならないのは、それ以外の部分ということになります。

 つまり、借り主がわざと壊したりとか、不注意で汚したもの、また普通ではない使い方によって汚したり壊したりした部分についての修繕義務ということです。

 具体例を挙げたいと思いますが、たとえば床。タンスとか本棚を置いた跡が床に残ることがありますよね。この家具の設置による床のへこみや跡は、「普通に住んでいても発生するの」の例です。

 壁でいえば、テレビや冷蔵庫の後ろにできる黒ずみやカレンダーなどを壁に貼った画鋲の穴なども、「普通に住んでいても発生するもの」といえます。

 では反対に借主負担となる例を挙げていきます。

 例えば、飲み物をこぼしたことによるシミやカビです。もちろん、普通に生活していても飲み物をこぼすことはあるので、飲み物をこぼしたこと自体は問題ではなく、こぼした後に丁寧に拭き取らなかったことによってシミやカビが残ってしまった場合には、借り主負担になり得ます。

 同じように結露を放置したことによるシミやカビも借り主負担とされます。

 結露が発生しているのに、拭き取ったりせずにそのままにしてカビを発生させてしまったから、ということです。

 あとは壁が、タバコのヤニで変色したり臭いが付着している場合、また猫や犬などがつけたキズも借り主負担とされる場合が多いと思います。

 次に「経年劣化」についてです。年月とともに劣化していくという考え方で、耐用年数が経過した設備については残存価値が1円であると想定して、借り主の負担とはなりません。

 例えば、カーペットや壁紙のクロスは6年が耐用年数とされているので、6年使ったものについては、その張替えの費用は借り主の負担にならない、ということになります。

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