今回は、最近増えてきた、カスハラについてお話をしたいと思います。
カスハラは、カスタマーハラスメントのことを表しています。
一般的には顧客が企業に対してする理不尽なクレームや言動を指します。事実無根の要求や法的な根拠のない要求、暴力的・侮辱的な方法による要求が挙げられます。
例えば、お客さんが「20年前に買った商品が動かなくなった、無償で修理しろと!」要求してきた場合、「20年も経っているので修理ができない」とお店が説明したところ、「購入時にきちんとメンテナンスの説明を聞いていない」、「メンテナンスの注意書きを貰っていないからそっちの説明に落ち度がある」などと何時間も言い続けるという事例があります。
同様に、返品ができない商品の返品を要求し、その要求が通らないと「店長を出せ!」や「店長権限で返品しろ!」などと何時間もお店に居座って、要求し続けるという例もあります。最近では、土下座をしろと言われるケースも聞いたことがあります。
店員の気に食わない態度に対して、「土下座をして謝らないと許さない!」と土下座を要求する場合や、「ネットの口コミに悪口を書き込むぞ!」と脅すことで、自分の要求を通そうとするケースも増えていると思います。
このような場合の対処法としては事例により異なります。
まず先ほどの例では、何時間もお店に居座る場合、「不退去罪」という犯罪が成立する場合があります。これは、お店から退去を求められたにもかかわらず、退去せずにそのまま居座る場合に成立する犯罪であり、3年以下の拘禁刑、又は10万円以下の罰金に処せられます。
したがって、警察を呼ぶ、という対応が必要になるでしょう。
カスハラといえど、犯罪行為になる場合があるということです。
お店の中で大声で怒鳴るなどは、「業務妨害罪」になりうるでしょうし、お店の物を壊したりすると「器物損壊罪」となります。
店員に暴力を振るえば、「暴行罪」、怪我をさせたら「傷害罪」ともなります。
また上記の土下座をさせることは「強要罪」になりえます。強要罪は、人を脅して義務のないことをおこなわせることで成立し、3年以下の拘禁刑が定められています。
また、「今すぐ10万円払え!払わないとどうなっても知らないぞ!」などと、人やお店を脅して財物を交付させる行為は、「恐喝罪」という犯罪になり、10年以下の拘禁刑が定められています。
いわゆる「ゆすり行為」といわれるもので、昔から反社会的勢力の人たちがやっていたことから厳罰に処せられています。
そして「ネット上に書き込むぞ」も脅しですから、「脅迫罪」になりうるでしょう。実際に書き込めば、「名誉毀損罪」や、「業務妨害罪」が問題となります。また、特定の従業員を誹謗中傷すれば、「侮辱罪」も成立しえます。
今はネットに簡単に書き込める時代だからこそ、注意が必要です。
そしてお店側としては、毅然と対応することが大切です。
上記のような事例は、カスハラの中でも特に悪質な部類で、犯罪行為に当たるケースです。
このような場合には警察に通報するという対応ができますが、そのような犯罪行為にまで至らないケースについては、その要求が正当なものか、見極めることが必要になってきます。
どのように見極めるのか、その後お店や企業としてどのように対応をしたらよいか、というのはまた次回にお話したいと思います。