ラジオ
2025/09/30 2025/11/26

④交通事故について

 

 前回は、軽い怪我の場合について話したので、今回は怪我が重かった場合について話したいと思います。

 怪我が重く、治療を続けても、残念ながらこれ以上はよくならない、とお医者さんに判断された場合に、後遺障害が残ることがあります。

 これを「症状固定」といいます。その場合、障害の詳細についてお医者さんに診断書を書いてもらいます。それをもとに、等級が決められます。等級は1級から14級まで細かく分かれています。
 体の部位や障害の程度によって同じ等級の中にもさらに細かく分かれていますので、それらの基準のどこに当てはまるかで、決まります。

 後遺障害が残る場合に認められる損害についてですが、まずは、慰謝料です。

 前回お話した、通院の日数などによって決まる慰謝料とは別に、後遺障害を負ったことの慰謝料が別に認められます。ただ、これも基準が決まっています。例えば、14級だと110万円、1級だと2800万円などとなっています。

 また、後遺障害が残ることで、今までできていた仕事ができなくなるので、その分の逸失利益、つまり将来得られるはずであった利益を請求することができます。ただ、どの程度仕事ができなくなるかは実際にはわかりません。      

 ですのでこれも等級によって一応基準があります。例えば、1級だと100%、14級だと5%になっています。
 あとは、何歳まで働けるか、ということも問題です。これは、67歳を前提としています。なぜこの年齢になっているのか、確かな根拠はありませんが、50年ほど前の男性の平均寿命が67歳だったから、ということのようです。
 現在は、男女ともに平均寿命が80歳を超えていますが、まだ昔の基準のまま算定しているということです。
 67歳を超えている場合は、平均寿命までの半分の期間を基準としています。

 最後に、死亡事故についても触れたいと思います。死亡事故の場合も、将来の逸失利益が認められます。つまり、生きていれば得られたであろう収入を喪失した、と考えます。ただ、生活費の支出を免れたともいえるので、生活費分を引くことになります。

 また、67歳までの分を100%喪失したとして計算します。
 そして、死亡の場合には死亡慰謝料があります。ただ、これにはやや疑問もあり、誰が亡くなったのかで慰謝料の金額が変わってきます。

 一家の支柱、多くは父親ですが、その方が亡くなった場合は一番高く設定されていて2800万円となっています。しかし、亡くなったのが母親の場合には、2500万円、と300万円の差がつけられているのです。

 裁判所はいまでもこの基準を使っています。それと、死亡事故の場合には葬儀費用なども加わります。


 以上が、重い怪我をした場合として、後遺障害が残った場合と死亡の場合についてお話しました。
 交通事故についてはまだテーマがいくつかあるので、引き続きご覧いただけたらと思います。

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